スリランカ「円借款支援による東部州給水開発事業及び地方道路開発事業に係る案件実施支援調査(SAPI)」
2010年05月~2010年09月
スリランカでは、1970年代後半の経済自由化及びそれに続く経済構造改革の流れを背景に、同国の経済活動は堅調に発展し、30年に亘る内戦や2004年末の津波被害にも拘わらずGDPは2003年以降年率6%前後で伸長している。加えて、2007年までの10年間で人口は年率1.2%で増加しており、人口増加に伴う水需要の増大に供給が追いついていないこと、交通量の増大に伴う都市部での道路交通の渋滞等の問題が発生している。しかしながら、予算制約等によりこうした問題に十分対応できず、さらに都市部においては既存道路が維持管理不足により著しく劣化し、地方における社会サービスへのアクセス不足、さらには地方と大コロンボ圏との格差拡大を招いている状況である。
特に長年紛争影響下におかれた東部州では、給水や道路などのインフラのメインテナンスが十分に行われてこなかったことから、他地域との格差が問題となっている。上水セクターでは、国全体の上水普及率約34%に対し、東部州は約27%と国全体の普及率より低く、道路セクターでは、既存道路の多くの部分について適切な維持管理がなされていなかったために、市場や社会サービスへのアクセスに影響し、大コロンボ圏との経済格差は依然として大きなままである。2009年5月の紛争の終結を受け、紛争の影響を受けた東部の人々が「平和の配当」を感じられるように、持続性があり紛争予防に配慮した開発援助を迅速に行うことが緊急の課題である。
東部州は、国家開発計画「Mahinda Chintana(2006-2016)」の中で、貧困削減及び都市部と地方部の格差縮小に取り組む優先地域とされている。また東部州開発計画において、地域の経済社会状況を向上させるため、上水供給、公衆衛生設備や道路を含む経済インフラの改善を優先的課題と位置づけられていることからも、現在の「ス」国の開発政策において両セクターの必要性・重要度は高い。
以上のことから、スリランカ政府は日本政府に対し「東部州給水開発事業」及び「地方道路開発事業」への支援を要請した。これを受けてJICAは、両事業に関する案件形成のための審査を実施し、両事業を早期に実施する必要性につき確認したが、両事業を進めるにあたり事業実施、運営管理を担う東部州政府は円借款事業の経験が少ないことから、円滑な事業実施のためJICAは案件実施支援調査を実施することとし、スリランカ政府と合意した。
本調査においては、円借款事業2事業(「東部州給水開発事業」及び「地方道路開発事業」の実施促進/支援の為に必要な以下の支援を行う。
① 事業運営支援 ② 事業実施能力強化 ③ ベースライン調査
本調査のための専門家としては、次の各専門家が投入される。
・案件管理
・小規模給水設備
・道路整備
・調達
・ベースライン調査/事業評価